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そよ風通信

第137回 「鬼」 【2015年2月】

2月3日は節分ですね。

スーパーマーケットなどに豆まきの豆や鬼のお面が出回るのをよく目にします。

またテレビなどで、鬼の格好をして子供を追いかける大人と泣き叫ぶ子供の姿も目にすることがあります。

鬼は日本の「妖怪」であり、「民話や郷土信仰に登場する悪い物、恐ろしい物、強い物を象徴する存在」だそうです。

 

「恐ろしい物を象徴する存在」である鬼は、一方で童話の中などで、村で大暴れして悪さをした後に村人と仲直りし「こわい鬼は本当はさみしがり屋で、みんなと仲良くなりたいと思っていた」など微笑ましい描写で読み手の涙を誘う存在でもあるようです。

 

そんな鬼は、古くは女性だったそうです。

「女性の本質は鬼である」

とも言われるそうで、

「鬼」は女性の憎悪や、嫉妬心の象徴でもあるそうです。

花嫁の被る「角隠し」は、江戸時代に能楽で女性が嫉妬で鬼になることから、花嫁が嫉妬心を抑えるために被るものとも言われているようです。

 

「この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉」

三橋鷹女という女性の古い句がありますが、この歌は能の演目で鬼が美女に化けて武士を騙す「紅葉狩」を背景にしたものと言われています。

この歌は紅葉の枝に真っ赤な紅葉をたっぷり蓄えた樹が夕日に照り映えていて、その紅葉の恐ろしいほどの美しさを詠んだ句だそうで、「その美しさに魅せられて、もしこの紅葉の樹に登ったならば、間違いなく、鬼女のようになるに違いない」という意味だそうです。

 

私はこの句を読むと、真っ赤な紅葉の中で鬼に姿を変えた女性が、夕日の中で満足げに微笑んでいるような姿が浮かんできます。

女性が紅葉に魅せられ、我を忘れて木に登りつめて自分の本来の姿である「鬼」に変化するこの句は、感受性の赴くまま、ありのままに振る舞うことの美しさや魅力、そしてその事への憧れを表しているのかもしれません。

 

普段お化粧をして着飾っている女性の中に潜む鬼と、それをどこかで表に出したいと思う女性の密かな願望は、恐ろしい反面、女性をより魅力的にしてくれるもののようにも思えます。          

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